脂質異常症

お腹

 

定義

 

中性脂肪やコレステロールなどの脂質の代謝に異常をきたした状態です。「高脂血症」から2007年に名称が改められました。

脂質異常症は厚生労働省によると、LDLコレステロールが140mg/dl以上の「高LDLコレステロール血症」、HDLコレステロールが40mg/dl未満の「低HDLコレステロール血症」、中性脂肪が150mg/dl以上の「高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症)」のいずれかで、総コレステロールは診断基準から外されました。

脂質異常症を放置すると、血管が狭く硬くなる動脈硬化がすすみ、それにより脳梗塞や心筋梗塞などの病気を招く原因となるといわれています。

 

脂質異常症リスク

 

 

関連する健診項目

 

LDLコレステロール

HDLコレステロール

中性脂肪(トリグリセリド)

 

 

食事改善提案

 

・コレステロールを多く含む食品をなるべく避けるようにしましょう。特に卵類(鶏卵、魚卵)、内臓類(レバー、モツ)は控えるようにしましょう。

・肉類の脂身や鶏肉の皮、ラード、バター、乳脂肪、ココナッツミルクなどは、血中コレステロールを上げやすいです。肉は赤身を選んだり、脂身をとり除いて食べましょう。牛乳も低脂肪乳にするとよいでしょう。

・食物繊維はLDLコレステロールや中性脂肪を下げる働きがあるので、積極的にとりましょう。そのために主食を白飯や白いパンではなく、玄米や麦飯、全粒粉のパンなどにし、3度の食事ごとに野菜類、豆類、海藻、きのこ、こんにゃくなどを食べるようにしましょう。

・糖分のとり過ぎは脂質を増やすことにつながります。主食の大盛りやおかわりをやめ、菓子類を減らしましょう。果物も糖質を多く含むので、1日に1個程度にしておきましょう。甘い飲み物やジュースも、無糖のお茶類に変えましょう。

・アルコールは脂質をためやすくするので、1日に日本酒なら1合、ビールなら500mL程度、ワインなら200mL程度を楽しむようにしましょう。

・青魚類の脂肪には、肝臓で脂肪を作りにくくする成分が多いので、おかずとして積極的に食べましょう。

 

 

運動改善提案

 

運動療法は、脂質異常症の人だけでなく健康な人においても血液中の脂質の値に好影響を及ぼします。

以下のような運動種目、時間、強度、頻度の運動療法が厚生労働省で推奨されています。

  運動種目:ウォーキング、ジョギング、水泳、自転車、社交ダンスなどの有酸素運動。
  運動時間:週に2日以上、1回30分以上。
  運動強度:ややきついと感じる程度。
  運動頻度:数ヶ月以上の長期的な継続。

運動を実施する上での注意点として、医師の診察を受けて、狭心症や心筋梗塞などの心臓の病気がないかを確認し、安全に運動できることを確認しましょう。そして運動の前後には準備運動を十分に行いましょう。

 

 

生活改善提案

 

すでに脂質異常症がある方は「禁煙」が重要です。喫煙はそれだけで血管を狭く硬くする動脈硬化のリスクを高くしますが、脂質異常症の人が喫煙すると、動脈硬化のリスクが急激に高まります。それにより脳梗塞や心筋梗塞などのリスクを伴います。喫煙者は禁煙を目指し、家族に喫煙者がいる場合は禁煙や分煙をすすめるなど、工夫して生活するようにしましょう。

 

 


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